Category: 制作日記

フリーランスの映像制作者

桁数が半端ない! 超インフレ紙幣

上が5000億ディナール、下が500憶ディナール。 古い資料を整理していたら出てきた新ユーゴスラビアの1993年頃の紙幣で、20年ほど前に番組の取材でセルビアに行ったときに、公園の露店で買ったものです。 旧ユーゴスラビア(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)は、1945年に7か国(セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、マケドニア共和国、スロベニア、モンテネグロ、コソボ)によって作られた国。 7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ多様性の国家でしたが、1980年にチトー終身大統領が死去すると民族や宗教の対立が激化し、1991年にはスロベニアやクロアチアの独立宣言により紛争が勃発。 1992年にはボスニア・ヘルツェゴビナの独立紛争を経て、セルビアとモンテネグロが新ユーゴ(ユーゴスラビア連邦共和国)を設立したです。 この紙幣はその直後のもので、国連の経済制裁を受けて国内経済は大混乱。当時の話を聞くと、朝もらったお金が夕方には半分の価値になり貨幣の信用は全くなかったといいます。 ちなみに、国連の制裁は本来は政治とは切り離されるべきスポーツにまで及び、サッカーの代表チームは以降6年間、国際大会に出場できませんでした。 取材はユーゴスラビアが6年ぶりに国際大会(フランスワールドカップ)に出場するというので、当時名古屋グランパスエイトでプレーしていたキャプテンのドラガン・ストイコビッチ選手を密着したものでした。